コロナ後の未来を担う関⻄中⼩の技、
万博へ磨き
関⻄のスタートアップ企業などが2025年国際博覧会(⼤阪・関⻄万博)を⾒据えて独⾃技術を磨いている。万博協会と⽇本貿易振興機構(ジェトロ)は3⽉3⽇に新型コロナウイルス収束後の未来社会を⾒据えた国際シンポジウムをオンラインで共催し、この動きを後押しする。「いのち輝く未来社会のデザイン」がテーマの万博会場はコロナ後の世界に向けて「関⻄の中堅・中⼩の底⼒を披露する場」(万博協会の森清・副事務総⻑)でもある。各社の構想から、その未来予想図を描いてみた。
半円形のチューブの中を球体の乗り物が動く。京都⼤学発スタートアップのリニアリティー(京都市)による未来のエレベーターが万博会場に登場するかもしれない。
通常、エレベーターは天井から1台の「カゴ」をワイヤロープでつるして上下動する。この空間に磁気レールによるリニアモーターを設ければ、何台ものカゴがそれに沿って動く。トルコ企業と共同製作した試作機で実験を繰り返し技術を確⽴した。曲⾯に沿って動くエレベーターも設置可能だ。
ハンガリーから京⼤に留学し国内エレベーター⼤⼿での勤務経験を持つマルコン・シャンドル社⻑は、何台ものカゴを効率管理するシステム技術のエキスパート。⾼層ビルで採⽤すれば低層、⾼層に分ける必要がなくなりスペースを有効活⽤できる。エレベーターの待ち時間が⻑く使い勝⼿の悪いビルでも、「リニアに改修してカゴを複数にすれば⼤幅に改善できる」とマルコン社⻑。基礎技術は確⽴しており、既存ビルでのリニューアル需要の開拓を進める⼀⽅、⾼層ビル新築案件での採⽤を⽬指す。